公開講演会 フェア・トレードの現在:日本・世界の最新事情

2007年開催の公開シンポジウム「フェア・トレードがめざすもの」で議論された5つの論点(フェア・トレード・ラベルの課題、フェア・トレード主体の「緩やかな結合」、生産者支援の評価とその成果の表示、量の認証型と質の提携型の結合、多様性とその他の社会運動)を引き継ぐかたちで、同年にフェア・トレード研究会を設立した。

5回の研究会(および民博共同研究会を3回)を重ねてきたが、その間、日本においてもFLO認証商品市場が40%の成長率を実現するなど、着実にフェア・トレード商品の普及が進んでいる。

6回目の研究会となる本講演会においてはまず、その普及の詳細を学ぶため、「緩やかな結合」の1事例である「国際貿易投資研究所・フェアトレード研究会」が実施した、フェアトレード市場調査の結果について、長坂教授にご報告いただく。

 次に世界フェア・トレード機関において策定が進んでいる新しいフェア・トレードの基準・ラベルについて、渡辺教授にご報告いただき、それらによって「緩やかな結合」や生産者支援が促されるのか議論する。

日時:2009年11月29日(日)13:30−17:00
場所:キャンパスプラザ京都(JR京都駅烏丸口・駅ビル駐車場西側) 第2〜4演習室
参加費:無料(事前申込不要、入場定員90名)


主催:京都大学フェア・トレード研究会
日本学術振興会科学研究費補助金・基盤研究
「キリマンジャロの農家経済経営と農村発展:フェア・トレードの役割」
国立民族学博物館・共同研究会「フェアトレードの思想と実践」
後援:フェアトレード・サマサマ
フェアトレード・プロモーターズ
京都大学フェアトレードサークル
ルカニ村・フェアトレード・プロジェクト
問い合わせ:
京都大学農学研究科・辻村英之
TEL:075-753-6188 FAX:075-753-6191
E-mail:tsunji@kais.kyoto-u.ac.jp

プログラム:
13:30−13:40 はじめに:研究会における論点と本講演会の課題
辻村英之氏(京都大学農学研究科・准教授)
13:40−14:40 日本におけるフェアトレードの普及について:市場調査の報告
長坂寿久氏(拓殖大学国際学部・教授)
14:40−15:00 質疑応答
15:00−15:10 休憩
15:10−16:10 世界フェア・トレード機関(WFTO(旧IFAT))における新たな
                フェア・トレードの基準・ラベルの策定について
          渡辺龍也氏(東京経済大学現代法学部・教授)
16:10−16:30 質疑応答
16:30−16:50 活動報告
  フェアトレード・サマサマ
        フェアトレード・プロモーターズ
     京都大学フェアトレードサークル
     ルカニ村・フェアトレード・プロジェクト
16:50−17:00 おわりに:今後の研究課題
 鈴木 紀(国立民族学博物館・准教授)

9月のフェアトレード・セミナー(毎週土曜日)

*one village フェアトレード+国際協力セミナー VOL.8*
日本と世界のフェアトレード事情
〜フェアトレード・サマサマ小吹岳志氏を迎えて〜
oxfamshop.jpg

日時:2009年9月19日(土)18時30分〜
会場:フェアトレードショップみみずく舎
最寄駅:阪神「西元町駅」から徒歩1分
http://mimizuku.cc/index.html

日時:2009年9月26日(土)14時〜
会場:フェアトレードショップ&ギャラリーLiaison
http://homepage2.nifty.com/ft-liaison/
最寄り駅:阪急岡本駅北口すぐ
会費:1000円(フェアトレードのお茶とお菓子+お土産つき)
お問合せ:fairtrade.liaison@gmail.com 078-431-2410

様々な現場からの報告を紹介してきたこのセミナーの第1期も今回で終了。欧米のフェアトレード事情をご紹介していただき、日本の消費者としてどう向き合っていくべきか、みなさんで考えていきましょう。
Kees1.jpg

『おいしいコーヒーの経済論―「キリマンジャロ」の苦い現実―』紹介

おいしいコーヒーの経済論


昨年「おいしいコーヒーの真実」の字幕監修者として、全国を講演で駆け回られた京都大学農学研究科の辻村英之准教授。ついに満を持して、一般向けのフェアトレードコーヒーの本を、太田出版から出されました。「フードシステム分析で明らかにした価格形成の不公正さが、コーヒーを苦くしてしまうという構成の下で、『季刊あっと』の論文を1年以上かけて全体を再編集しました。タンザニアにおけるコーヒー栽培から日本におけるコーヒー消費までの事例分析ですが、コーヒー貿易一般で確認できる「コーヒー小国」(「コーヒー大国」ブラジルを除く)にとっての不公正さや、フェアトレードの役割・課題をお伝えするつもりで書いております。」とのこと。

http://www.ohtabooks.com/publish/2009/06/09091725.html

「オランダ・ベルギー/フェアートレード最新情報」

6月8日から18日まで、オランダ・ベルギーに滞在しました。途上国のマイクロファイナンス機関などに融資しているオイコクレジットの年次総会に出席するためですが、同時に現地のフェアトレード事情や、社会的金融への市民の取り組みなど、大いに学ぶところがありました。滞在中の街の生活・蚤の市・鉄道・ホテル・個人旅行のノウハウ・など、できる範囲で紹介します。
食事をしながらの気楽な会なので、お気軽にご参加ください。

Fランチ(食事を楽しみながらゲストの話を聞く楽しい会)

日時:2009年7月3日(金) 12時ー1時30分
会場:アジア協会アジア友の会会議室
最寄駅:地下鉄肥後橋駅上がってすぐ
会費:1000円(一部を井戸掘り基金に寄付します)
詳しくは
http://www.jafs.or.jp/culture/haruharo.htm

イギリスのフェアトレード事情−フェアトレードの拡大と正統性をめぐる問題

イギリスのフェアトレード事情−フェアトレードの拡大と正統性をめぐる問題
                                        寄稿 池上甲一(近畿大学)

今年の3月末から、研究休暇でオックスフォードに滞在しています。オックスフォードを滞在先に選んだ理由は主として、オックスフォード大学のサイド・ビジネス・スクールが社会的企業の研究を盛んに行っていること、オックスファムの本部があり、フェアトレードへの関心も高い場所だということにあります。2ヶ月あまりが過ぎたので、「フェアトレードの町」に暮らしてみた印象を簡単に紹介してみましょう。

ひとつはさすがにオックスフォードで、フェアトレードが生活に根ざしているということです。町のあちこちにあるオックスファムのショップや早くからフェアトレード商品を扱っているCo-opはもちろん、普通のレストランでもフェアトレード商品を提供しています。フェアトレードショップもかなり賑わっていて、ボランティア学生や中高年女性に支えられているとはいえ、それなりに経営が回っているようです。

そして何よりも大手スーパー各社で、フェアトレード商品が定番になっていることに改めて驚きを感じました。というのも、2002年にはFLOのマークをつけた商品を探すのにかなり苦労した経験があり、また2004年にもテスコなどを回っても思っていたほどフェアトレード商品が置かれていなかったからです。2004年はオックスフォードで開かれたフェアトレード関連の大会に参加したのですが、そのときのテーマが「フェアトレードをメイン・ストリームに」だったことに得心がいった記憶があります。

それと比べると、マークス・アンド・スペンサー(M&S)ではフェアトレード専用のコーナーがありますし、センズベリーではフェアトレード以外のバナナを置いていません。テスコにはもちろん多数のフェアトレード商品があります。M&Sではエスカレーター脇の壁に、「われわれのコーヒーはあなたの口に苦みを残さない。なぜならフェアトレードだからだ。」という広報パネルが掲げてあるのが妙に印象的です。この広報パネル・コーナーはほかにも動物の権利を侵害するようなウール製品がないとか森林や漁業でも持続性に配慮しているといった類のものがたくさん掲げられています。なお余談ですが、イギリスでは、動物の権利が想像以上に具体化されています。豚が広大な牧場で走り回っているのを見たときは本当に驚きました。

オックスフォードでは、フェアトレードが確かにメイン・ストリームになっていると感じることができます。では、問題なく発展していると考えてよいのでしょうか。この点で興味深いのが、関係者の間でフェアトレードの正統性、フェアトレードのアウトソーシングが議論の俎上にのっていることです。スーパーでフェアトレード商品を当たり前のように買う人は、果たしてその背後にある途上国の貧困問題や人びとの暮らしに想像力を働かせているのでしょうか。通常の商品(アンフェア?な商品)と同じ感覚で購入しているのかもしれません。むしろフェアトレード商品とは、スーパーやスタバなど通常の企業で買う「ブランド」だと考えているのかもしれません。

FLOの認証マークは、このマークつきの商品を買った人たちに問題意識を喚起するための入り口だとよく説明されますが、どれくらいの人たちがそのように感じるようになっているのでしょうか。そもそも、フェアトレード商品の販売者は問題意識を喚起するような取組をしているのでしょうか。少なくとも自らの企業行動も含め、何がフェアなのかについて情報を提示する必要があるでしょう。しかし、実際にはそうではなくて、FLOマークを貼っているだけではないのか、つまりフェアトレードをアウトソーシングしているだけではないのか、という疑問が生じているのです。このことは、メイン・ストリーム追求の陰に隠れがちであるフェアトレードのミッションを再確認する時期に来ているという反省と関係しているのかもしれません。
カテゴリー
最近の記事
プロフィール

サマサマ太郎

Author:サマサマ太郎
主に関西におけるフェアトレード関連のイベント(フェアーやセミナー等)や、NGOサマサマの活動を紹介していきます。

最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード